芭蕉db
　　　みちのくの一見の桑門同行二人、那
　　　須の篠原を訪ねて、なほ殺生石見
　　　んと急ぎ侍るほどに、雨降り出で
　　　ければ、まづこのところのにとどま
　　　り候

落ち来るや高久の宿の郭公

（真蹟懐紙）

（おちくるや たかくのしゅくの ほととぎす）

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　元禄2年4月16日。『奥の細道』旅中、栃木県那須郡那須町高久の庄屋覚左衛門宅に宿泊した折りの作。殺生石を見た後だったので、その伝説、殺生石の毒気にあてられて無数の鳥や虫が空中からまっさかさまに落ちたという伝説を句に込めてもいる。

落ち来るや高久の宿の郭公

　ここにきて初めてホトトギスの声を聞いた。その声は、あの殺生石の毒気にあてられて空飛ぶ鳥たちが落ちたという昔話と同じように大空から落ちてくる感じがする 。
　なお、ホトトギスと郭公についてはここを参照


栃木県那須郡那須町字高久の高福寺境内の句碑。牛久市森田武さん提供