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芭蕉db
五月の雨風しきりに落ちて、大井
川水出で侍りければ、島田にとど
められて、如舟・如竹などいうふ人
のもとにありて
(俳諧別座舗)
(ちさはまだ あおばながらに なすびじる)
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元禄7年夏。最後の西上の旅の折、芭蕉一行は島田で船止めに遭った。例によって塚本如舟に歓待されて3日間逗留した。このときの様子は、曾良宛書簡および杉風宛書簡に記述がある。前詞の如竹は杉本氏で如舟の俳諧仲間。
なお、「駿河路や花橘も茶の匂ひ」・「五月雨の空吹き落せ大井川」・「たわみては雪待つ竹の気色かな」もここでの句。
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苣はまだ青葉ながらに茄子汁
苣(萵)<チシャ>は近年健康ブームで多く消費されるようになったヨーロッパ原産で中国渡来のレタス
のこと。キク科の植物というから驚き。平安時代には日本に渡来した。今では一年中食べられるが、この時代には春の食材とされていた。如舟亭での歓待に季節はずれのチシャが出された。一緒に茄子汁も出されたので、春と夏が一緒に接待されたのである。主人親子の暖かいもてなしに謝辞を込めた一句。