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芭蕉db
尾張の十蔵、越人と号す。越後の
人なればなり。粟飯・柴薪のたよ
りに市中に隠れ、二日勤めて二日
遊び、三日勤めて三日遊ぶ。性、
酒を好み、酔和する時は平家を謡
ふ。これ我が友なり
(庭竈集)
(ふたりみし ゆきはことしも ふりけるか)
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元禄元年冬。名古屋の越人を主題としての句。越人とは、この前年の貞亨4年『笈の小文』で杜国を畑村に訪ね、貞亨5年の秋には『更科紀行』の旅に随伴して、そのまま江戸に下り、年号が改まった元禄元年10月末に名古屋に戻ったはずである。一句は、その越人への見舞い。ただし、この句の中には門人杜国への想いも混じり込んでいるかもしれない。
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二人見し雪は今年も降りけるか
去年君と二人で見たあの天津繩手の雪はまた今年も降っているだろうか?とすれば、杜国はあの薄暗い配所で寒い季節を耐えているに違いないね。
後に越人は、この句を発句として『庭竈集』を編纂し、「胸のしのぶも枯れよ草の戸」と脇をつけた。
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