研 究


研究略歴

1994年に京都大学大学院工学研究科修士課程を修了後,武庫川女子大学大学院家政学研究科博士後期課程に進学し,1998年に学位を取得した。大学院在学中の研究は,生活環境に関する居住者の意識構造に関するものである。この研究は事例調査に基づいており,(1)着目する環境要素として「音」をとりあげた,(2)限定した地域を克明に調査するインテンシブな方法を採用した,(3)中心的なフィールドとして住工混在地区を選定した,(4)物理的な音環境の観測と住民の意識調査の双方を実施した,(5)住民意識調査に自由記述質問紙調査を用いた,(6)自由記述回答を定量的に分析する方法を開発した,等の特色を有している。その大部分は博士論文にとりまとめたが,現在まで継続して研究を行っている。

学位取得後,財団法人の嘱託研究員等を経て,2000年4月に山梨県立女子短期大学生活科学科に赴任した。その間,(1) 沖縄県の米軍飛行場周辺住民の生活質・環境質に関する質問紙調査,(2) 明石海峡大橋の開通による周辺地域への影響に関する住民意識調査,(3) 神戸市のコミュニティ活動への参加実態及び参加意識に関する調査,等に従事した。これらの調査はそれぞれ別の事業主体によるプロジェクトであるが,いずれも申請者の関心領域である地域住民の環境意識に関連する調査であり,申請者も主体的にその調査の企画・実施に携わった。それぞれの調査結果は報告書としてまとめたほか,現在も結果の分析を継続している。

山梨県立女子短期大学に赴任後は,上述の研究を継続しているほか,環境感性と地域社会との関係に着目し,主として山梨県内において調査を実施している。


現在の研究

  • 環境感性の構造とその形成過程に関する研究
      地球環境問題,風景,住環境などについての住民意識を「環境感性」と捉え,その構造と形成過程を,質問紙調査および聞き取り調査によって調べる。
      現在,(1) 京都市の伝統的織物産業地区における音環境,(2) 山梨県内の獣害問題,(3) 山梨県内の景観形成と住民活動,等を個別テーマとして調査を行っている。
  • 嘉手納飛行場周辺住民の航空機騒音に対する反応に関する研究
      沖縄・嘉手納飛行場周辺の訴訟原告を対象にした自由記述質問紙調査を実施し,住民意識の構造を分析する。
  • 自由記述質問紙による環境意識調査方法に関する研究
      上記2テーマに関連し,自由記述質問紙調査結果の分析方法を発展させる。

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