消費者行動論 #9  2002/12/05

■メッセージ紹介

●私は情報を信じてしまう方なので『買ってはいけない』など素直に受け入れてしまいそうだと思った。情報を適切に判断することは難しいなぁと思った。プリントで『買ってはいけない』などを実際に読んでみておもしろかった。

●私は基本的に信じやすい性格なので『買ってはいけない』のような著者の狙い通りになってしまう。今日の資料も,ああ桃の天然水など飲まなくてよかった,基本的にカゼ薬は飲まないから安心だ,家に味の素はないからよかった,とすべて信じてしまった。もう少し疑うクセをつけようと思った。

●私は,テレビや雑誌,本などで取り上げられていることは,かなり信じてしまいます。しかし,『買ってはいけない』のように,あまりに一方的に批判しているものは,あやしいなと思いました。1つの情報だけをうのみにするのはよくないと思います。最終的に商品を買うか買わないかは自分が決めるのだから,しっかり考えなければいけないと思いました。

●こういうの割と信じてしまうタチなので『買ってはいけない』は絶対買いません。買うんじゃ『「買ってはいけない」は買ってはいけない』とセットで買わないと何も食べられなくなります。元々が,代謝が悪くて,冷え性,肩こり,便秘,貧血,低血圧等を患っているので,健康マニアです。ですから,かなりこーいう情報に左右されてしまいます。

●私は『買ってはいけない』などの本はあまり信じません。たしかに体に良くないものもありますが,高橋コラムにあった通り,1日やそこらで影響するものはあり得ないと思いました。第一,この本を読む前に私たちはその商品を疑うことなく使用し続けていたのに普通に生活しているではないですか。あまり関係ないかもしれませんが,子どもの姓名判断の本も同じだと思っています。名前の意味などが悪いからと言ってその子どもの人生が狂うなんてことはないと私は思います。

●思ったのは,人は数字に弱いのかなぁ,ということです。○○が○○g含まれたものは×××の可能性があり人体に影響が・・・といわれると,その数値の基準も分からずに買ってはだめなのかな,危険かな,と思ってしまう気がします。また%も同じだと思います。数字の信用性ってどのくらいあるのか・・・と考えてしまいます。


1.イントロダクション

2.消費者行動の心理学

3.消費者と社会

3−1.消費者と情報


3−2.消費者問題

「最終消費者として購入した商品・サービス及びその取引をめぐって生ずる消費者の被害または不利益の問題」

▼主要な消費者問題
  • 安全性,健康,生命に関わる問題
  • 取引や契約に関わる問題
  • 価格や品質に関わる問題
  • 広告や宣伝に関わる問題
  • 表示に関わる問題
  • 消費者信用に関わる問題
  • その他
▼消費者問題の背景(→10/17のノートへ
  • 大量生産−大量販売体制
  • 技術革新
  • マーケティングの高度化・複雑化
  • 情報の氾濫
  • 独占・価格管理など

 ⇔消費者の権利
  • 安全である権利
  • 知らされる権利
  • 選択する権利
  • 意見が反映される権利
      (1962,アメリカの消費者保護教書)
現代市場:売り手と買い手のアンバランスな力関係
→買い手の権利と力の強化を求める運動=コンシューマリズム

◆問題商法一覧(国民生活センター・ホームページよりhttp://www.kokusen.go.jp/
  名 称   おもな商品・サービス おもな勧誘方法と問題点
マルチ商法 健康食品、美顔器、浄水器、
化粧品、ファックス、ふとん
儲かるからと商品の販売組織に誘い、商品を購入させ、友人など次々に組織への加入者を増やしていくと利益が得られるというもの。勧誘時の成功話と違って思うように加入者を獲得できず、売れない商品を抱えることになる。
先物取引商法 (国内市場)
金、トウモロコシ、大豆、ガソリンなど
(海外市場)
トウモロコシ、大豆、砂糖など
同郷または大学の後輩などと偽って近づき、信用させておいて、「金や大豆などの先物は今買っておけば、数年先には相場が上がり、利益になる」といって契約を迫る。いったん取引に応じると、やめさせてくれず、次々にお金を出させ、結局大損になる。
ネズミ講 組織に加入し、金銭、有価証券などの配当 後から組織に加入した者が支出した金銭を先に加入した者が受け取る配当組織。「無限連鎖講の防止に関する法律」によって、金銭に限らず有価証券なども禁止された。最近はインターネットや電子メールを利用して勧誘するケースが増え、従来の口コミに比べ、広範囲、瞬時に広がる危険性がある。
現物まがい(預託)商法 和牛等の飼育動物、鳥類、金、ゴルフ会員権 和牛や金などの商品・サービスを買わせ、それらを預かり、期間経過後高い利息をつけた価格で買い取るというもの。実際は現物を消費者に引き渡すこともなく、業者が現物を持っているかも疑わしい。
アポイントメントセールス 絵画、宝石、パソコン、
割引サービス会員権、
CDーROM、ビデオソフト
「景品が当たった」「旅行に安く行ける、会って話したい」などと、販売目的を隠し、「あなただけは特別」などと、有利な条件を強調して電話で営業所や喫茶店に呼び出し、商品やサービスを契約させる。
キャッチセールス 化粧品、美顔器、
エステティックサービス、絵画、
映画鑑賞券
駅や繁華街の路上でアンケート調査などと称して呼び止め、喫茶店や営業所に連れて行き、応じるまで解放しない雰囲気にして商品やサービスの契約をさせる。
無料商法 エステティックサービス、
化粧品、健康機器、浄水器、
和服、ふとん
「無料招待」「無料サービス」「無料体験」など「無料」をセールストークにして広告やチラシで、人を集め、高額な商品やサービスを売りつける。
アンケート商法 浄水器、化粧品、美顔器、
絵画、映画鑑賞券、
エステティックサービス
「アンケートに答えて」などと、話しかけてきて、「このままではシミ・しわになる」などと不安をあおって化粧品を売りつけたり、今後値上がりすると説得して絵画などの商品を売りつける。
モニター商法 浄水器、美顔器、ふとん、和服、
痩身エステティックサービス
モニターになって、そのモニター料を代金の支払いに当てることを条件に、商品・サービスを無料や格安で提供すると思わせて商品を契約させる商法。
SF(催眠)商法 羽毛ぶとん、磁気マットレス、
電気治療器、健康食品
「くじに当たった」「新商品を紹介する」といって人を集め、閉め切った会場で台所用品などを無料で配り、得した気分にさせ、興奮状態にしておいて、異様な雰囲気の中で最後に高額な商品を売りつける。
ネガティブ・オプション 雑誌、ビデオソフト、新聞、
単行本
商品を一方的に送りつけ、消費者が受け取った以上、支払わなければならないと勘違いして支払うことを狙った商法。代金引換郵便を悪用したものもある。福祉目的をうたい、寄付と勘違いさせて商品を買わせることもある。
点検商法 羽毛ふとん、消火器、
白アリ駆除、耐震診断、
屋根工事
点検に来たと言って来訪し、「ふとんにダニがいる」「白アリの被害がある」「工事をしないと危険」などと、事実と異なることを言って新品や別の商品・サービスを契約させる。
実験商法 浄水器、洗剤 試薬などを使い、その商品がいかに効果があるかの実験をして見せ、他社の製品が危険・有害であるかのように誤認させて、商品を売りつける。
見本工事商法 ベランダ、カーポート、
外壁サイディング、サンルーム、
ソーラーシステム
「目立つ場所で宣伝になる」「カタログに写真を掲載させてもらう」など住宅設備関連の商品や工事を特別に安くするような言い方で勧誘し、実際には、ずさんな工事や安全性に問題があるものを売りつける。
資格商法 電験三種(第三種電気主任技術者)、行政書士などの国家資格取得講座や財務・税務などの民間資格取得の講座と教材 電話で「受講すれば資格が取れる」「もうすぐ国家資格になる」などと執拗な勧誘をし、講座や教材を契約させる。最近は以前の契約者に対し、「資格が取得できるまで契約は終わらない」と継続しているかのように説明し、2次被害が出ている。
就職(求人)商法 和服、婦人下着、
タレント養成講座
「展示会での販売のお手伝い」「商品宣伝のアルバイト」など、就職(求人)の広告で人を集め、応募者に、「仕事に必要だ」などと商品を売りつける。
内職商法 あて名書き、チラシ配り、
データ入力、テープおこし、
パソコン、ワープロ
「在宅サイドビジネスで高収入を」「資格・技術を身につけて在宅ワーク」などの広告で勧誘し、材料や高い機械を売りつけたり、講習会と称して多額の受講料を取ったりする。実際は、講習が受けられなかったり、ほとんど収入は得られない。


3−3.消費者運動


▼生活協同組合(生協)運動
    生協=消費者生活協同組合;消費者が自らの生活を守り向上させる目的で,資金を出し合い,生活物資の購買等の事業を運営し利用する協同組合組織
・地域生協と職場生協
・歴史
 ・1844年,ロッチデール公正開拓者組合(イギリス)
 ・1879年,「共立商社」誕生
 ・1921年,日本で最初の市民による生活協同組合
     「神戸消費組合」(現コープこうべ)創設
・環境生協,インターネット生協なども
・参考:日本生協連 http://www.co-op.or.jp/jccu/

▼消費者運動の歴史
・明治〜大正
  労働組合による消費組合(購買組合)中心

・戦後日本の消費者運動
  粗悪品追放:「不良マッチ不買運動」

・1960年代
  大量消費社会の到来=商品知識の複雑化
  →「賢い消費者」を目指す運動

  1961年:(財)日本消費者協会設立
    消費者啓発事業と商品テスト事業
    (アメリカ型の消費者運動)

・1970年代
  消費者としての権利の主張
    法的手段や不買運動などで対抗
  運動は草の根型に

・1980年代〜
  運動課題の多様化:
  • 物価,安全性から高齢者問題,環境問題,国際問題,情報問題などへ


3−4.消費者行政と消費生活関連法


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