No.24 辻斬り
江戸時代、庚申待の夜には、町内の若い者達はここかしこに集まって、一晩中バカ話をして夜の明けるのを待っていた。その折の左官の吟ちゃんの話。
若い衆:「え?! 真っ二つかい?」
吟 :「そうじゃねぇ。真っ二つになったのは屋台の方なんだ」
若い衆:「それで茶飯屋のオヤジさんはどうなったんでぇ??」
吟 :「オヤジさんはどうもならねぇ。その代わり屋台が切られたもんだからあたり一面茶飯にアンカケでワーッとなってよぉ、見られたもんじゃねぇのよ。みんなぁ、こりゃあ何だと思う?」
若い衆:「辻斬りだろうよ。未熟な野郎だからオヤジさんを斬ろうとして手許が狂って屋台を切ったてぇわけにちげぇねぇ!」
吟 :「そうじゃねぇ、俺が思うにゃぁこりゃぁチャメシギリさぁ」