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時鳥帆裏になるや夕まぐれ

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   時鳥帆裏になるや夕まぐれ         先放

初ハ下を明石潟と云り*。渡鳥集にあらたむ。可南曰、いかなるゆへにや。去來曰、時鳥帆裏に成るやと云にて景情足れり。是上に明石潟をもとむるハ心のねばり也*。可南曰、同集卯七の時鳥も明石也。いかゞ變り侍るや*。來曰、卯七句ハ明石といはねバ、すヾしけれと云本意たゝず*。ほ句ハ趣向を二つ三つ取かさぬる物にあらず。又下意を持た セて作するハ各別也*