俳諧書留

雲岩寺

目次

奥の細道雲岩寺へ 修験光明寺へ


三佛開山佛光國師佛國ゝ佛應ゝ

 雲岩寺十景     五橋   三井
 海岩閣 竹林   獨木橋  神龍池

 十梅林 龍雲洞  瑞雲ゝ  都寺泉

 玉几峯 鉢盂峯 瓜●ゝ 岩虎井

 水分石 千丈岩  涅槃ゝ

 飛雲亭 玲瓏岩  梅船ゝ

四月五日、奈須雲岩寺に詣で
  佛頂和尚旧庵を尋

木啄も庵は破らず夏木立   翁

翁に供せられて、雲岩寺遊ぶ。茂りたる山の入口より清冷たる川に遊びて、三町計歩て山門に至ル。針盂峰、龍雲洞、千丈,・玲瓏ノ岩、五橋、三井、総てかんのうごかさざる所なし。

物いはで石にゐる間や夏の勤

秋鴉主人の佳景に対す

山も庭にうごきいるゝや夏ざしき

△浄法寺図書何がしは、那須の郡黒羽のみたちをものし預り侍りて、其私の住ける方もつきづきしういやしからず。地は山の頂にさゝへて、亭は東南のむかひて立り。奇峰乱山かたちをあらそひ、一髪寸碧絵にかきたるやうになん。水の音・鳥の声、松杉のみどりもこまやかに、美景たくみを尽す。造化の功のおほひなる事、またたのしからずや。
 
東山雲岩寺
満蔵山 夢想国師開記

山深み昼くだるにもさびしきに
    よる人やある白糸のたき

八みぞ山 ひたち・下野・みちのくのさかひ
ことや あやをがり池 歌有
無常野 知田川 いづな山 つくば山