芭蕉db
   元禄辛未十月、明照寺李由子
   宿
   当寺この平田に地を移されてより、
   已に百歳に及ぶとかや。御堂奉加
   の辞に曰く、「竹樹密に、土石老
   いたり」と。誠に木立もの古りて
   殊勝に覚え侍りければ

百歳の気色を庭の落葉哉

(真蹟画賛/曲水宛書簡

(ももとせの けしきをにわの おちばかな)

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 元禄4年10月。彦根市平田の浄土宗光明遍照寺。当時住職は門人李由・河野通賢であった。この寺は、近江の多賀庄にあったが、慶長4年に平田に移ったとされる。
 この時、芭蕉は、『奥の細道』以来1年有半に及ぶ上方滞在から最後の江戸下向の旅にあった。

百歳の気色を庭の落葉哉

 詞書にすべてが言い尽くされている。
 この寺の庭で、「尊がる涙や染めて散る紅葉」とも詠んだ。寺を褒めた挨拶吟。


彦根市平田明照寺境内の句碑と・・・


明照寺本堂。牛久市森田武さん提供