呉竹は葉細く*、河竹は葉広し*。御溝に近きは河竹、仁寿殿の方に寄りて植ゑられたるは呉竹なり。
呉竹は葉細く:呉竹は中国伝来の竹。別名ハチク。葉が細い。竹の子をもっとも遅く初夏になって生える。真竹より細く背も低い。これが、仁壽殿に植えてあった。
河竹は葉広し:「河竹」はマダケのこと。これが清涼殿の東庭の御溝水に沿って植えてあったという。
この段も筆者のオタク族ぶりを発揮した一段。
くれたけははほそく、かわたけははひろし。みかわにちかきはかわたけ、じじゅうでんのかたによりてうえられたるはくれたけなり。