(貞亨5年8月頃:45歳)
俳文
『更科紀行』をもとにした俳文だがその位置づけは不明。
姨捨山(冠着山<かむりきやま>)には、母を捨てた息子が山にかかった月を見て、「わが心なぐさめかねつさらしなやをばすて山に照る月を見て」(『大和物語』)といって母を連れ帰る歌物語がある。爾来、歌に文学にこの山は数多く登場してきた。
姨捨山 すさまじう高くもあらず、角々しき岩なども見えず、ただあわれ深き山の姿