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風國曰、彦根のほ句、一句に季節を二ツ入ル、手曲有
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- 風國曰、彦根のほ句、一句に季節を二ツ入ル、手曲有。尤難ずべし*。去來曰、一句に季節二三有とも難なかるべし。もとより好む事にもあらず*。
- 許六曰、一句に季節を二ツ用ゆる事、初心の成がたき事也。季と季のかよふ處あり*。去來曰
、一句に同季を二用る事ハ、功者初心によるべからず。されど許六の季ト季のかよふ處に習ありといへるハ、予がいまだしらざる事也*。
- 風國曰、彦根のほ句、一句に季節を二ツ入ル、手曲有。尤難ずべし
:風国が、「彦根の許六一門の句には季題が一句に二つ入れるという癖がある。もっともいけないことではないですか?。「手曲」は<てくせ>で、良くない習慣の意。
- 去來曰、一句に季節二三有とも難なかるべし。もとより好む事にもあらず:別に一つの句に季節が二つ入っても三つ入っても悪いってことは無いよ。私の趣味ではないけれどね。
- 許六曰、一句に季節を二ツ用ゆる事、初心の成がたき事也。季と季のかよふ處あり:これについて許六は、一句に季語を二つ入れるのは、初心者には無理だ、季と季の通い合うところがあるので、そこを習得しておかないとね、と言った。
- 去來曰 、一句に同季を二用る事ハ、功者初心によるべからず。されど許六の季ト季のかよふ處に習ありといへるハ、予がいまだしらざる事也:一句に二つ季が入るということは、ベテランと初心者とは無関係だろう。ただ、私には許六が言う季と季の通い合うように学ぶべきことがあるということを私は知らないなぁ。