芭蕉db

笈の小文

(和歌の浦)


和歌

行春にわかの浦にて追付たり

(ゆくはるに わかのうらにて おいつきたり)


前へ 次へ

表紙 年表


行春に わかの浦にて追付たり

 「行く春」は永遠の別離を象徴する。もう再び今年の春に会えないかと思っていたら、なんと和歌の浦に来てみれば晩春の景色が残っていて再会できた。「春」という季節であり時間を、去っていく旅人として擬人化して、ここで彼に再会したとする時間観念がおもしろい。


和歌の浦三断橋あしべ茶屋跡の句碑(牛久市森田武さん提供)


和歌の浦三断橋(同上)