芭蕉DB

野ざらし紀行

(桑名浜辺)


 草の枕に寝あきて、まだほのぐらきうちに濱のかたに出て*

明ぼのやしら魚しろきこと一寸

(あけぼのや しらうをしろきこと いっすん)


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表紙 年表


明ぼのやしら魚しろきこと一寸

 初案は、「雪薄し白魚しろきこと一寸」だった。推敲の後に現在のものになったが、おかげで作品の季題は冬から、春のあけぼのに変ってしまった。10月桑名での作だから、初案が自然であるものの、詩的価値ではこちらの方が数倍上がっているのが面白い。芭蕉句中最高の作品の一つ。


桑名浜地蔵堂にある「雪薄し白魚白きこと一寸」の句碑(牛久市森田武さん撮影)