(元禄7年8月1日)
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しら山にて
誠御はづかしく、おそれみおそれみつたなき事共を懸ニ御目一申候。扨々ことし御上京ノ事、夢ばかり承申候はゞ、此秋参宮仕奉レ得ニ尊慮一候はゞ、いか斗のよろこびたるべき事と、くりかへして不幸をなげき申候。何とそ何とぞ此上には御入湯ノ事おぼしめし御立候へかしと奉レ待候。何かと跡言なる仕合、御手紙に申上がたく奉レ存候。猶以万端跡より可ニ申上一候。恐惶頓首
八月朔日 北枝
金沢の北枝が伊賀滞在中の芭蕉に宛てた書簡。