宛先:この一通は本当は宛先不明であるが、内容からして卓袋らしい。
同道も一両人御座候:この時同道したのは、路通と李下。
京屋:上野の商人で蕉門の京屋権右衛門。彼を介して藤堂家で芭蕉に下屋敷を提供するという話があった。
内証これ有り候へども:内々にそういう話があったがの意。
他客見舞:よその藩の客などの来訪。
存知のほかの衆:人知に及ばない変わり者や奇人もいることだし、の意。
おのおの:あなたをはじめ皆さん方のの意。
わきわきにて小貸家:貴家のご近所で小さな貸家でもあればの意。
この方より好み候とは、御申しなさるまじく候:私の方から希望しているなどとは言わないで下さい、の意。
随分御精御出だしなさるべく候:しっかり勢力的に探して下さい、の意。
首尾により:旨くいったら
近所の御衆に御心得なさるべく候:「みなさんによろしくお伝えください」、の意。