芭蕉db

槐市・式之宛書簡

(元禄4年11月13日 芭蕉48歳)

書簡集年表Who'sWho/basho


 御俳諧被遊候哉*。御発句など被遊候はゞ、便に可遣候*。春は其角集あみ申候間、入集可仕候*。私は宿は橘町彦右衛門と申ものゝ店に而*、桃青と御書付可成候*。書音も広クは六ケしく御座候故、所付をも外へは不申遣候之間、左様に御意得被成可下候*。御前可然奉頼存候*。恐惶頓首*
     霜月十八日                        芭蕉桃青
  中尾源左衛門様
  浜 市右衛門様

 江戸から膳所の中尾源左衛門(槐市)浜市右衛門(式之)宛に書いた書簡。この書簡で、江戸帰着後日本橋橘町彦右衛門宅に寄宿したことが知れる。この頃、『其角集』の編纂中であったことも分かる。槐市・式之を通じた藤堂新七郎宛メッセージでもある。