芭蕉db

杉風宛書簡

(元禄7年6月8日 芭蕉51歳)

 

書簡集年表Who'sWho/basho


両度之御状段々に相達し、御無事之由珍重奉存候。
子珊集出来一覧、さてさて珍重、先一方は打破り候と相見え候*。去来其外之もの共、大かたならず感心大悦、いさみ申候*。
二郎兵衛も暇乞致度よし申候故、早々下し候。様子は直面に御聞可成候。
盆前いがへ引取、八月末に又出申候。急便早々。以上
 
     六月八日                   芭蕉
 
   杉風様
 
子珊御手柄之よし、奉頼候。重而以書状申達候。

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  元禄7年6月8日、寿貞尼の死を知った日に、猪兵衛宛と同便で送った杉風宛書簡。子珊の『別座舗』の軽みが評判であることを述べて、ついで二郎兵衛を江戸に下らせる旨を知らせているが、本状では取り乱した風は見えない。また、盆は伊賀上野で過ごし、その後またここ京都へ出てくるといっている。後半は実行されなかった。