伊賀上野から江戸杉山杉風への一通。杉風からの音信が不通となっていたらしい。持病の痔と思われるが、下血の有ったこと、だから伊賀上野に引っ込んでいたが、体調も良くなってきたので3月下旬には京都へ行く予定であること。それゆえ、手紙は下立売下長者町の向日平次郎宛(向井平次郎、つまり去来宅)に出すように指示している。
去年いつ比よりか終に御左右無レ之、万無二心元一存候:去年の何時からか便りがないので、非常に心許無く思っています、の意。
御一家不一相替一候哉、承度而己に候:<ごいっかあいかわらずそうろうや、うけたまわりたくてのみにそうろう>と読む。