帰省中の伊賀上野で、伊賀門人の氷固宛現存する唯一の書簡。書簡と大根などが寄せられたことへの謝礼。
如二来命一久々に而得一芳慮一珍重奉レ存候:<らいめいのごとくhさびさにてほうりょをえちんちょうにぞんじたてまつりそうろう>と読む。「来命の如く」とは仰せの如くの意。
仍二重、大根殊に珍敷賞翫可レ仕候:<よってにじゅう、だいこんことにめずらしくしょうがんつかまつるべくそうろう>と読む。「仍」は「さて」、の意。二重は意味不明。二つ重ねの重箱のことか?。
いまだ草臥申候而遠方不二罷出一候間、御非番之節御入来仰所に候:<いまだくたびれもうしそうろうてえんぽうにまかりいでずそうろうかん、ごひばんのせつごじゅらいあおうぐところにそうろう>と読む。氷固は商人だったので御非番は当たらないが、閑なときの意で用いたもの。長旅の後で遠距離を歩くことはできないのでお暇なときにきてください、の意。
半残子被一見舞一:<はんざんしみまわられ>と読む。半残は伊賀の門人。