芭蕉db

松尾半左衛門宛書簡

(元禄5年11月27日 芭蕉49歳)

 

書簡集年表Who'sWho/basho


二十二日之書状認置候へ共、御屋敷まで遠方故差留置候処*、長兵衛殿御内衆御出候間、追而書申上候*
 
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つヾき申候はヾ何とぞとりとめ申度*、さてもさても難義仕候段、御推し被遊可下候。もはや御苦労に御座候故、如此御座候。先久ゐへはさたなしに仕候*。あんじられ候而益なき事に候間、いかていに成行候共、急には申遺申まじく候*。其元へも段々には申進之まじく候間*、左様に御意得可成候。およしにも右之通御よみきかせ被遊可被*。以上
 
     霜月廿七日                  桃青
 
 
   半左衛門様

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 断簡。

 桃印の病状の一進一退を故郷の兄一家に知らせる手紙。病状は緩和しているようだが、回復の希望はない事が文面から見えてくる。桃印に近い親族が居る久居にも知らせるなという内密な知らせ。