芭蕉db

梅が香にのつと日の出る山路哉

(炭俵)

(うめがかに のっとひのでる やまじかな)

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 元禄7年の芭蕉最後の春、51歳。野坡との両吟歌仙の句で、『炭俵』の冒頭を飾った名句。

梅が香にのつと日の出る山路哉

  立春を過ぎて残る寒い朝。梅の香が匂う山路には、何の前触れもなく朝日がひょっこりと昇ってくる。「のっと」という日常語を持ってきて、死後に一大流行を作り出した「軽み」の実践句。


京都市伏見区御香宮天満宮境内の句碑。牛久市森田武さん提供