芭蕉db

木隠れて茶摘みも聞くやほととぎす

(俳諧別座舗/炭俵)

(こがくれて ちゃつみもきくや ほととぎす)

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 「俳諧別座舗」によれば元禄7年5月8日。 この夜、柏木素竜が芭蕉庵に一泊した。その折、素竜が自身の近詠「むら雨やかかる蓬の丸寝にも堪えて待たるほとぎすかな」を紹介したところ、芭蕉は「自分にも一句できた」と言ってこの句を紹介したという。よって嘱目吟ではなく、駿河あたりか京滋方面の茶畑で見なれた芭蕉の心象風景としての一句。
 なお、この日に、素龍は「奥の細道」清書を持参したのかもしれない。

木隠れて茶摘みも聞くやほととぎす

 いま一声鳴いて渡っていったホトトギスの声を、茶畑の茶ノ木に隠れて見え隠れする茶摘女達も聴いたであろうか。
  なお、ホトトギスと郭公についてはここを参照。


滋賀県甲賀郡信楽仙禅寺(岩屋観音)の句碑。牛久市森田武さん提供