芭蕉db
風流亭
水の奥氷室尋ぬる柳哉
(曾良書簡)
(みずのおく ひむろたずぬる やなぎかな)
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元禄2年6月1日。『
奥の細道
』旅中、大石田から羽黒山に行く途中で「風流」こと新庄の富商澁谷甚兵衛宅にて。同じ新庄の盛信亭での句「
風の香も南に近し最上川
」も同時期の作で、盛信は風流の本家筋に当る。
水の奥氷室尋ぬる柳哉
柳陰に小川が流れている。夏というのになんと冷たく清冽な水であることか。きっと水は氷室から流れ出してくるのであろうと想像してしまうことだ。「氷室」は、寒中に氷を土中に埋めて、解熱や冷蔵品の輸送など夏場の用に供するために氷を保存した場所。高い山の神社の境内などに多く作られた。
新庄市鳥越鳥越八幡神社の句碑(牛久市森田武さん撮影)