芭蕉db

いづく時雨傘を手に提げて帰る僧

(真蹟短冊)

(いずくしぐれ かさをてにさげて かえるそう)

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 延宝8年、芭蕉37歳の作。この年17句が記録されている。

いづく時雨傘を手に提げて帰る僧

  ここでは雨は降っていなかったが、あの坊さんはびっしょりと濡れた笠を持って歩いている。一体どこで時雨があったのだろう。
 冬の到来を告げる時雨の持つ寂寥感を貧乏僧侶の濡れた笠を通して表現する、芭蕉初期の傑作の一句。