芭蕉db

芹焼や裾輪の田井の初氷

(其便)

(せりやきや すそわのたいの はつごおり)

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 元禄6年、50歳。元禄6年11月8日付荊口宛書簡ある記事から、濁子らを見舞った折に芹焼のもてなしを受けて詠んだものらしい。

芹焼や裾輪の田井の初氷

 「芹焼」は鴨の肉を芹や蓮根と共に醤油で味付けした料理。芹はにおい消しのために使ったので芹焼という。その芹を裾輪の田から採って来たのですね。そこではもう初氷が張っていたはずですが。
 「裾輪の田井」は特に固有名詞ではない。山の付け根の日陰の田圃を言ったが、古来名歌に詠まれた文芸的な用語。万葉集「
筑波嶺のすそわの田居に秋田刈る妹がりやらくもみじ手折らな」(巻9・1758)など。