芭蕉db

青ざしや草餅の穂に出でつらん

(虚栗/泊船/真蹟短冊)

(あおざしや くさもちのほに いでつらん)

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 天和3年、芭蕉40歳の作。この年9句が記録されている。

青ざしや草餅の穂に出でつらん

 「青ざし」は、青い麦の穂をホーロクで煎って、石臼で引いて作ったねじれた菓子のこと。 「青ざし()五貫文」の「青ざし」は、江戸時代穴開き銭を通した1両1分の縄のことだが、姿が似ていたのでこう言うが、もとより異なるもの。一句は、青ざしは、春に食べた草餅が麦の穂になって 、今夏の季節になってこうして街に出て来たものであろう。理屈っぽい嫌味な句。とうらいものの青ざしを嘱目で詠んだものであろう。