芭蕉db
   本間氏主馬宅に遊びて

ひらひらと挙ぐる扇や雲の峰

(真蹟短冊)

(ひらひらと あぐるおおぎや くものみね)

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  元禄7年夏。能役者本間主馬の屋敷を訪問したときの句。この折の句としては、「蓮の香を目にかよはすや面の鼻」と「稲妻や顔のところが薄の穂」がある。

ひらひらと挙ぐる扇や雲の峰

 あなたの演技を見ていると、ひらひらと高く掲げた扇の先があの入道雲の先端の雲の峰まで達しているかのように見えます。主の主馬への挨拶吟。


滋賀県大津市下阪本新唐崎公園の句碑 扇が舞い降りたような碑。牛久市森田武さん撮影