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菜虫とは青虫のこと。多くの青虫は華やかな蝶になって空に舞っていくというのに、この菜虫は秋になっても蝶にもならずに虫のままでいる。 今は秋。大きな旅を終えたとは言うものの、芭蕉は相変わらず変態して羽化するわけでもなく、薄汚い墨衣のままであった。それは胡蝶になれない己の真の姿なのである。 なお、この句に如行の脇は、
種は淋しき茄子一本 如行
であった。