芭蕉db

不精さや掻き起されし春の雨

(猿蓑)

(ぶしょうさや かきおされし はるのあめ)

不精さや抱き起されるる春の雨

(珍夕宛書簡)

(ぶしょうさやだきおこさるるはるのあめ)

句集へ 年表へ Who'sWhoへ


 元禄4年2月頃の作。48歳。伊賀上野兄の家での作。珍夕宛書簡が初案の形で、そこには「不性さや抱起さるゝ春の雨」とある。

不精さや掻き起されし春の雨

 初案からみると、誰か人間に抱き起こされたのであるが、決定稿では必ずしもそう読まなくてもよいが・・。春雨の降る朝、思いがけずぐっすりと朝寝坊をしてしまい、(誰かに)掻き起されてしまった。