芭蕉db

   伊勢の国長島、大智院に信宿す

憂きわれを寂しがらせよ秋の寺

(真蹟色紙)

(うきわれを さみしがらせよ あきのてら)

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 元禄2年9月6日〜9日。『奥の細道』の旅を終えて、大垣から伊勢遷宮参拝に行く途中曾良の伯父の寺三重県長島の大智院に3泊投宿して。この句は後に『嵯峨日記』で推敲されて、「憂きわれを寂しがらせよ閑古鳥」とかえられた。


憂きわれを寂しがらせよ秋の寺

 大智院への挨拶吟である。「秋の寺」という静寂なものと、「寂しがらせよ」という大袈裟な表現がすっきりと落ち着かない句である。それゆえ後に改作したのであろう。


三重県桑名郡長島町大智院と句碑(牛久市森田武さん提供)