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芭蕉db
忘年書懐 素堂亭
   節季候(俳諧深川)
(せきぞろを すずめのわらう でだちかな) 
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 元禄5年12月。節季候(せきぞろ)とは、「〔「節季に候」の意〕近世の遊芸門付(かどづけ)の一。歳末に二、三人組で「せきぞろ、せきぞろ」とはやして家々を回り、遊芸をして米・銭を請うた。せっきぞろ。」(『大字林』)。節季候については、別に
「節季候の来れば風雅も師走哉」の一句があるのでそれを参照。
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節季候を雀の笑ふ出立かな
 節季候の出で立ちのおかしさときたら、雀だって吹き出してしまうであろう。雀が笑う次第は次のようなもの。猟師が雀をかすみ網で捕まえるとき、中心にカラスなどを囮に置いておく。これをフクロウやミミヅクにすると、日中目が見えないので、目の見えないフクロウやミミヅクを見て雀がみんなで馬鹿にしに集まってくる。そこをかすみ網に捕らえれてしまうから、やっぱり雀は馬鹿だというのである。
 一句では、節季候という乞食たちを目の見えないフクロウやミミヅクに譬えたのか、ただその姿形のおかしさが馬鹿な雀でも笑いたくなるほどこっけいだというのかは定かではない。
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