- 芭蕉db
道のほとりにて時雨に逢ひて
(あつめ句)
(かさもなき われをしぐるるか
こはなんと)
途中時雨
笠もなきわれを時雨るるか何と何と
(熱田三歌仙)
-
句集へ 年表へ Who'sWhoへ
- 貞亨元年。『
野ざらし紀行』の途次熱田で。
-
笠もなきわれを時雨るるかこは何と
旅のみちすがら突然時雨がやってきた。私は傘を持っていない。これは困ったことになったわい。時雨は冬の到来だが、日本文学の世界では風流の最高の一つである。突然襲われた時雨に傘も無くて困ったといいながら、「こは何と=なんとなんと」と興じたところに俳諧がある。それにしても、結語のいかにもかるっぽい弾み方は談林風の残滓であもる。
-