芭蕉db
   浅水の橋を渡る時、俗、「あさう
   づ」といふ。清少納言の「橋は」
   とある一条、「あさむつの」と書
   ける所なり

あさむづや月見の旅の明け離れ

(其袋)

(あさむつや つきみのたびの あけばなれ)

   阿曾武津の橋

あさむつを月見の旅の明け離れ

(芭蕉翁月一夜十五句)

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 元禄2年8月15日。『奥の細道』旅中、敦賀で詠んだ。『芭蕉翁月一夜十五句』は、敦賀で一晩に15句詠んだとされるもので、宮崎荊口が編集した。ここ浅水は、歌枕で<あさむつ>、また俗に<あさむづ>などと呼ばれる。現在は、福井市になる。

あさむづや月見の旅の明け離れ

 あさむつは、「明け六ツ(午前6時)」とかけている。月見をして一晩中歩いていたら朝になって白々してきた、という酔狂を描いている。
 

 
福井市浅水町「朝六つ橋」の句碑(森田武さん撮影)