芭蕉db

海士の屋は小海老にまじるいとど哉

(猿蓑)

(あまのやは こえびにまじる いとどかな)

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 元禄3年9月作。47歳。「病雁の・・・」と同じく、堅田での作。

海士の屋は小海老にまじるいとど哉

 「いとど」とは「竈馬」で、カマドウマのこと。エビコオロギともいう。穴蔵などで見かける事が多い。後ろ足が長く、コオロギに似ているが羽はなく、ジャンプ力に優れた虫。
 この句は嘱目吟。海士の貧しい家に入ったところ、獲りたての小海老の籠の中にカマドウマも一緒になって飛び跳ねていたというのである。「海士の苫屋」の叙情性をパロディー化した軽みの代表作の一つ。去来抄』参照  


カマドウマに関する詳細は内山貴雅さんのページ参照
ここには、北海道にあるアトリエで彫刻を制作している内山さんの作品とアトリエでの
田舎暮らしを紹介しているページ。カマドウマという虫についての詳しい紹介や画像がある。


滋賀県大津市今堅田二丁目堅田漁港にて(牛久市森田武さん撮影)