消費者行動論 #1
2002/10/10
■シラバスより
【授業の目的・概要】
私たちの消費行動はどのように行われているのか,消費者心理とマーケティング戦略との関連を中心として学ぶ。また,消費行動におけるトラブルと,それを防ぐための行政の施策について学ぶ。さらに,過度な消費社会が招く問題点について学び,今後の消費生活のあり方について考える。
【授業計画】
予定する主な内容は以下の通り。
・消費者行動の心理学
・企業の販売戦略と消費者
・消費者問題と消費者行政
・消費社会の問題点
【参考文献】
・飽戸弘編著『消費行動の社会心理学』福村出版,1994
・杉本徹雄編著『消費者理解のための心理学』福村出版,1997
・アラン・ダーニング著『どれだけ消費すれば満足なのか』ダイヤモンド社,1996
【評価の観点・方法】
評価は試験によっておこなう。救済措置として,出席及び授業時に提出する感想の内容を考慮する場合がある。
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1.イントロダクション
■「消費」の意味(広辞苑(第三版)より)
(1) 費やしてなくなること。つかいつくすこと。費消。
(2) (経)(consumption) 欲望の直接・間接の充足のために財貨を消耗する行為。生産と表裏の関係をなす経済現象。
■消費者行動(Consumer behaviour)
=商品やサービスを獲得し,消費し,廃棄することに直接含まれる活動のことであり,これらの活動の前後の意思決定過程をも含む。(Engel et al. ,1995)
■消費者研究の観点
- 心理学
…人々の行動に関心
- マーケティング(経営学)
…企業の経営,商品の販売に関心
- 消費社会論(社会学)
…社会や文化の構造に関心
- 消費者運動論
…消費者による生産者・販売者への働きかけに関心
- 消費者保護,消費者行政
…行政や法律に関心
■私たちの消費行動はどのようなものか,具体的に考えてみよう
▼自分の自由になるお金はどのくらいありますか?
▼だいたいどんな目的に使いますか?
・日常的に使うもの
・月1回程度使うもの
・年に数回程度
▼お金の使い方はどうやって決めますか?
・使い道
・店舗・ブランド・製品などの選択
▼買ったものはどう使いますか
▼テレビに影響されて買ったものや欲しくなったものは?
▼友達に影響されて買ったものや欲しくなったもの?
●買うことは楽しい!
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今日はバーゲンでいっぱい買い物して,ストレスの解消になった。
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●買うことは怖い!
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服を買いに行ったけど,どんなのがいいか自分でもよくわからないし,かといって店員に聞いたら高いのをすすめられそうで,すすめられたら買わないといけないような気になっちゃいそうで,買った後すぐに後悔しそうで,けっきょく買わずに帰ってきてしまった。何だかかえってストレスがたまった。
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●テレビ・マスコミの影響
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みのもんたが赤ワインは体にいいってテレビで言っていた。買いに行こう。
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CMで見た新製品のジュース,今度コンビニで探してみよう。
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●値段と商品の価値
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このジャケットが9800円っていうのは安いのか高いのか,どうなんだろう?
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●惰性
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毎週読んでいる少年ジャンプ,最近あんまり面白いと思わないけど,なんとなく買い続けてるなぁ。
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●同じお金のはずなのに(心理的財布)
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3000円の本を購入するときは非常に心理的痛みを感じるが,会費が3000円のコンパに参加するのには全く心理的痛みを伴わない。
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●ブランドへの信頼
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テレビを買おう。やっぱり家電は松下が安心だな。なんせ「ナショナル」だもんな。
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●おつきあい
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野菜は昔から買ってる近所の八百屋で買ってる。正直言うと車で10分行ったスーパーの方が品揃えはいいんだけど,昔からのつきあいだからなぁ。
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●グリーンコンシューマー
環境に配慮した消費者(の運動)
→生産者(企業)にも影響を与えようとする
・紙パック・アルミ缶・ペットボトルなどは購入せずに,びんの飲料を選ぶ
・マイバッグを持参してレジ袋を断る
・旬のものを食べるようにする
・地元産を選ぶ
・自転車や公共交通機関をできるだけ利用する
・リサイクル製品を購入する
・合成洗剤でなく石鹸を使う
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●『買ってはいけない』
●通信販売,インターネットショッピング
●雪印事件
●狂牛病騒動
--------(※ここまで)--------
■消費者と生産者との関係の大まかな歴史
▼自給自足
・生産者と消費者は同一
・生産地と消費地もあまり離れていない
※集団内での交換はあっても,家族のようなもの
▼分業の誕生
・分業=交換もしくは販売を前提として成立
・生産者と消費者は別人
・生産者:交換・販売を目的に,他人が消費するものを(消費者の必要に応じて)生産
▼市場(しじょう)生産の誕生
・消費者の注文が無い状態で生産し,市場に出す
・市場が小さければ生産者と消費者はほぼ対等
・お互いをよく知っている
・製品知識にあまり差がない
▼市場の拡大〜大量生産・大量消費時代
・生産者と消費者の距離が開く→お互いの顔が見えない
市場生産=見えなくなった消費者相手の見込み生産
・需要の飽和→マーケティングの誕生
・生産者・販売者は巨大化(生産者の企業化,流通の拡大)
→生産者と消費者は対等でなく生産者優位に
★「自由競争市場」の前提
(1)公正で自由な価格競争
(2)売手買手の完全な市場知識
→いずれも不成立
「操作する企業」と「操作される消費者」
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→消費者問題
→消費者運動・消費者保護
▼大量消費社会の見直しへ
・環境問題:ごみ,資源・エネルギー,環境汚染など
※アメリカ人の生活を60億人がしたら地球が5個必要
との計算あり
→新しいライフスタイルの模索
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