消費者行動論  2000/10/20


■消費者と生産者との関係の大まかな歴史

▼自給自足
▼分業の誕生
▼市場(しじょう)生産の誕生

▼市場の拡大〜大量生産・大量消費時代
・生産者と消費者の距離が開く→お互いの顔が見えない
  市場生産=見えなくなった消費者相手の見込み生産
・需要の飽和→マーケティングの誕生
・生産者・販売者は巨大化(生産者の企業化,流通の拡大)
  →生産者と消費者は対等でなく生産者優位に
--------(※前回ここまで)--------

★「自由競争市場」の前提

(1)公正で自由な価格競争
(2)売手買手の完全な市場知識
  →いずれも不成立
   「操作する企業」と「操作される消費者」

  →消費者問題
  →消費者運動・消費者保護

▼大量消費社会の見直しへ
 ・環境問題:ごみ,資源・エネルギー,環境汚染など
  ※アメリカ人の生活を60億人がしたら地球が5個必要
   との計算あり



■市場とマーケティング
●マーケティングとは
企業が行う財やサービスの販売を拡大するための活動

《参考》

マーケティングとは,価値を創造し,提供し,他の人々と交換することを通じて,個人やグループが必要とし欲求するものを獲得する社会的・経営的過程である。
(コトラー『マーケティング・マネジメント』プレジデント社,1996)


マーケティング(マネジメント)は,個人や組織の目的を満足させる交換を創出するためのアイデア,財,サービスの概念形成,価格設定,プロモーション,流通を企画し,実行する過程である。
(アメリカ・マーケティング協会,1985)


マーケティング marketing
大量生産と大量消費のメカニズムを円滑に回転させるために,財とサーヴィスの全流通過程を生産者あるいは流通機構の手中に管理する,企業経営の組織的活動。その基本は,消費者に対して財とサーヴィスを購入したいという欲望を起こさせることである。(以下略)
(『社会学小辞典』有斐閣,1997(新版))

●市場の発展とマーケティング・コンセプトの変化
A.生産志向と製品志向の時代
・販売努力の不要な時代;いかに製品を供給するか

B.販売志向の時代
・大量生産された製品をいかに買わせるか

C.消費者志向と顧客志向のマーケティング
・消費者の望む製品を作る
・顧客満足を高める

D.リレーションシップ・マーケティング
・顧客との長期的な関係づくり
・双方向的なコミュニケーション

●市場細分化(マーケティング・セグメンテーション)戦略
消費者の欲求の多様化
→同じような欲求を持った消費者のグループをターゲットとして商品を開発し販売するのが効率的

●マーケティング・ミックス(4P)の構築
(1) 製品 product
(2) 価格 price
(3) 流通 place
(4) 販売促進 promotion

●ソーシャル・マーケティング
社会的な生活環境や自然環境の保護を考慮に入れたマーケティング



★消費者行動論:豊かな消費社会が前提
・貧しい時代は最低限の衣食住で精いっぱい
  →豊かな社会になってさまざまな消費者行動が出現
・販売拡大を目的とした消費者行動論
   =消費社会の善悪は問わない
    (消費拡大→経済発展→良い,という前提)
 ←→欲望の無限の拡大でなく,欲望のコントロールへ

「豊かな社会」についてのカトーナの整理

経済環境の5つの変化
  (1) 収入の増大
  (2) 貯蓄資産の増大
  (3) 信用販売(月賦・クレジット)の普及
  (4) 消費全体における非必需耐久財の
    占める比率の増大
  (5) マスコミによる経済情報の迅速な伝搬
消費者行動の3つの変化
  (1) 必需的・慣習的・契約的消費の減少
  (2) 自由裁量的支出の増大
  (3) 自由裁量的貯蓄・投資の増大

--------(※ここまでで時間切れ)--------


■消費者行動の心理学

1.問題解決としての購買意思決定

  購買意思決定は,一種の問題解決行為
   →問題解決過程として捉える

▼問題の認識
 ・現実の状態(初期状態) …例:空腹
 ・目標状態  …例:空腹が満たされた状態
  ……この2者のズレが大きいとき,問題が認識される

▼購買意思決定問題が認識されやすくなる条件
(1) 目標状態の水準(またはその知覚水準)の上昇
   …広告や知人の薦めなどによる欲求の増大
(2) 初期状態の水準(またはその知覚水準)の低下
   …現状への不満の増大

▼認識の状況
(1) ルーチン的問題解決 routine problem solving
   反復的な購買行動;想起される選択肢がひとつだけ
(2) 限定的問題解決 limited problem solving
   製品についての知識があり,いくつかの選択肢が
   想起される
(3) 広範的問題解決 extensive problem solving
   製品についての学習を要する

▼問題認識のされ方
どのように問題を認識したかが意思決定に大きく影響
・問題認識の心理的構成による意思決定の変化
  =フレーミング効果
・心理的財布:状況依存的な問題認識
  同じ商品に同じ金額を払った場合でも,満足感や
  心理的痛みが異なる






●消費者の知覚

●消費者の動機づけと感情

●消費者の態度形成と変容

●消費者の個人特性

●対人・集団の要因と消費者行動

●消費者行動における状況要因


[消費者行動論2000 Top]