ベクトルの回転とストークスの定理
- ▽をベクトル関数に外積のように作用させた時,「ベクトルの回転を取る」といいます.すなわち,
(eq. 1)

図1 周回積分
- ところで,上の図のように閉じた曲線Cを考え,この曲線を境界として囲まれた面積をSとして,このC上及びS内で微分可能かつ連続なベクトル関数Hを考えたとき,
- のような線積分を考えてみます.そこでいまCの囲む面積Sの内部を図のように無数の長方形に分割します.その微小な長方形の一つを持ってきてxy平面に射影したのが下の図です.

図2 単位セルの周回積分
- この図の微小長方形に沿って線積分を実行してみましょう.
- ところで,これは周回路のxy平面への射影だけを取り上げましたが,一般的には全ての平面に射影されますので,それらをまとめますと一般に,
- のようになります.
- この結果を前の一般的な閉曲線Cに適用しますが,微小長方形の隣同志の線積分は相互に反対方向を向いていますから,打ち消し合ってしまいます.そして最終的に打ち消し合いが起こらないのは曲線Cに沿う部分だけです.ゆえに,
(eq. 2)
- のような関係が得られます.最後の置き換えは積分の定義そのものです.これをストークスの定理といい,面積分を線積分に次元を落とす定理です.
- いま,
(eq. 3)
- のような式を例としてこの式を式(2)に代入しますと,
(eq.
4)
- となります.右辺は面Sを通過しているiなる量の全量であり,左辺は閉じた曲線Cに沿って回転するHの全線積分を表わしています.「回転」という用語の意味はこの意味に他なりません.