『埋木』の奥書


此書雖家伝之深秘、宗房生、
俳諧執心不、免書写而、
且加
奥書者也。必不可有外見
而己
延宝二年弥生中七  季吟花押

 


季吟の埋木奥書(伊賀市芭蕉翁記念館所蔵)


読み下し文

此の書は家伝の深秘といえども、宗房生(そうぼうせい)、俳諧執心浅からかざるによって、書写を免じて、且つ奥書を加うるものなり。必ず、外見有るべからざるもののみ 延宝二年弥生中七 季吟花押

現代語訳

この書は、家伝の秘密文書であるが、宗房(後の芭蕉)生は俳諧に実に熱心であるから、書写を許し、かつ私の名を奥書に署名した。門外不出と心得ること。 延 宝2年2月17日 季吟花押