(制作年代不詳)
此の「杵の折れ」と名付くるものは、上つ方に愛でさせたまひ*、かしこく扶桑の奇物となれり*。汝、いづれの山に生ひ出でて、いづれの里の賎が碪の形見なるぞや*。昔は横槌たり*。今は花入と呼びて、貴人頭上の具に名を改む*。下れるものは上り、上なるものは必ず下るといへり。人またかくのごとし。高きに居て驕るべからず。低きにありて恨むべからず。ただ世の中は横槌なるべし*