俳諧書留

象潟

目次

奥の細道象潟へ 越後路へ


   象潟 六月十七日朝雨降。十六日着、十八日に立。

象潟の雨や西施がねむの花       翁

   夕に雨止て、船にて潟を廻ル

夕晴や櫻に凉む浪の花         翁

   腰長汐

腰たけや脛ぬれて海凉し       翁

象潟や笘やの土座も明やすし     曾良

象潟や蜑の戸を敷磯凉   みの岐阜彌三良低耳

象潟や汐焼跡は蚊のけぶり      不玉

   羽Kより被

忘るなよ虹に蝉鳴山の雪       會覺

杉の茂りをかへり三ヶ月       芭蕉

磯傳ひ手束の弓を提て        不玉

汐に絶たる馬の足跡         曾良

 

海川や藍風わかる袖の浦       曾良