芭蕉db

月待や梅かたげ行く小山伏

(蕉翁全伝)

(つきまちや うめかたげゆく こやまぶし)

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 元禄4年1月。卓袋方で「月待」の講が催された時。「月待」は、八月十五夜を除いて毎月13、17、23夜などに行われ、月の出を待って飲食などをした。こういうときに俳人たちは俳諧を興行することが多かったのである。

月待や梅かたげ行く小山伏

 月待の行事に招かれたのであろう、若い山伏(山伏姿の若者)が土産に持参の梅の小枝を背負っていく。風流の会に経験不足で不慣れな若者が、それでも一人前のように装って肩をいからした背伸びする姿が好ましい。「かたげ行く」のは肩に担いで行くさまをいう。