芭蕉db

我も神のひさうや仰ぐ梅の花

(続連珠)

(われもかみの ひそうやあおぐ うめのはな)

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 延宝4年、芭蕉33歳の時の作。

我も神のひさうや仰ぐ梅の花

 「ひさう」は「秘蔵」と「彼蒼<ひそう>」と漢字にあてるべき語。「秘蔵」は梅の花が天満宮の秘蔵の花であるという意味。「彼蒼」は『管家後集』に「家を離れて三四月、落涙百千行、万事皆夢の如し、時々彼蒼<ひそう>を仰ぐ」とあるから取った。 「彼蒼」は「蒼天」を仰ぐこと。
 一句は、菅原道真公は天を仰いで感慨にふけったが、私はその管公の秘蔵の梅の花の匂いをかいで感慨にふけることだというのである。 知識をひけらかしたいやみな句である。