芭蕉db

天秤や京江戸かけて千代の春

(俳諧当世男)

(てんびんや きょうえどかけて ちよのはる)

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 延宝4年、芭蕉33歳の時の作。これ以前の作が元気だけの若さを露呈していたものが、この年頃から香りを加えてきたようである。

天秤や京江戸かけて千代の春

 天秤に京と江戸をかけてみてもどちらが栄えているとも言い難い。まことにめでたい新春だ。いまでは日常的に使われる用法だから手柄にはならないが、芭蕉はここで京都と江戸を比較するのに、天秤にかけるというたとえを考案したことが得意だったのである。