芭蕉db

誰やらがかたちに似たり今朝の春

(真蹟短冊/続虚栗)

(だれやらが かたちににたり けさのはる)

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 貞亨4年新春。この春、江戸蕉門の嵐雪が俳諧宗匠として立机。嵐雪は、芭蕉への開業?挨拶として正月小袖を贈呈したという。それに応えて芭蕉が詠んだ句とされている。

誰やらがかたちに似たり今朝の春

 嵐雪に貰った小袖をそっと着てみた。すると普段の自分のようではなくどこかの誰かに似ている自分を発見した。晴れがましい気分と気恥ずかしい気分とが交じり合った複雑なうれしさ。