芭蕉処女撰集の俳諧発句合(はいかいほっくあわせ)一巻。寛文12年(1672年)制作。60の発句および芭蕉の判詞を、当時の流行語や小唄などを多用することによって仕立てた集。三十番発句合。芭蕉は、この年1月25日、 これを上野天神宮(上野天神)に奉納し、またこれをパスポートとして持参することで江戸俳壇に乗り込んだのである。 なお、刊本は、江戸の書肆「中野半兵衛」から出版され、江戸における芭蕉の存在を印象付ける大きな機序となった。