芭蕉db

鶯や竹の子薮に老を鳴く

(俳諧別座敷/炭俵)

(うぐいすや たけのこやぶに おいをなく)

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 元禄7年5月。最後の西上の旅の折、相模領内を通過中。

鶯や竹の子薮に老を鳴く

 鶯が竹やぶで鳴いている。タケノコの季節とてすでに夏が来ている。鶯は梅にふさわしい。これが夏になって啼いていると、何となく老け込んだように感ずるというのである。こういう鶯のことを老鶯<おいうぐいす>という。自らの老と重ねて詠んだ一句。