芭蕉db

鶯の笠落したる椿かな

(真蹟色紙)

(うぐいすの かさおとしたる つばきかな)

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 元禄3年2月6日。伊賀上野の西島百歳亭にて。

鶯の笠落したる椿かな

 鶯は古来梅の花を縫って笠に仕立てることになっている。百歳の家を訪れると鶯の声が聞こえ、庭には椿の花が咲き競っている。木の下には無数の椿の花が落ちていたにちがいない。この椿の花は、鶯が落とした笠なのであろう。梅を椿に置き換えたところが俳諧なのである。


三重県上野市長田金毘羅神社の句碑(牛久市森田武さん撮影)