芭蕉db

鶯や柳のうしろ薮の前

(続猿蓑)

(うぐいすや やなぎのうしろ やぶのまえ)

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 元禄7年、51歳。『蕉翁句集』は元禄5年とする。

鶯や柳のうしろ薮の前

 鶯という鳥は薄暗い所を好んで低空で飛行する。しかも実に落ち着きがない。いま柳の木の向こう、ほら今藪の前。作者は、この鶯の行動を実況報告しているのである。
 それにしても、何もかも削ぎ落とした軽やかな句。一点の濁りもない。名句。


滋賀県坂田郡伊吹町勝居神社にある句碑。牛久市森田武さん撮影