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芭蕉db
トウ山、産業のために江府に居る事
   三月。予は彼が朝寝を驚かせば、
   彼は予が宵寝をたたきて方寸を汲
   み知り、寝食をともにしたる人に
   似たり。今日や故郷へ帰るを見送
   らんと、杖を曳きてよろぼひ出で
   たるに、秋の名残りもともに惜し
   まれて(続寒菊)
(むさしのや さわるものなき きみがかさ)
 
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 貞亨元年(41歳頃)頃から死の元禄7年(51歳)までの間。「トウ」は口編に荅と書くがJISには無い漢字。トウ山は岐阜大垣の人。この人が江戸に来て、岐阜に帰る送別の吟だがそれが何時のことだったのかは不明。
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武蔵野やさはるものなき君が傘
 「武蔵野は月の入るべき山もなし草より出でて草にこそ入れ」という古歌があるがこれからの変奏か? だとすれば、武蔵野は平野であなたの旅笠に支障をきたすものは無いはずです。だから旅の無事は間違いありません。「さはる」は「障る」であろう。 
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